体験談

■妊娠もお産も楽しい!

田中 朝子さん 晴爽(てれさ)ちゃん

「産む場所は助産院でも病院でも、特にこだわりはありませんでした」。意外な発言をする田中朝子さんだが、最終的には第一子 晴爽ちゃんをファン助産院(東京都)で出産した。

ファン助産院は、朝子さんが生まれ育った実家の裏にあり、30年前から開業している。妊娠20週の頃に実家に帰った時、今まで訪問する機会がなかったご近所さんに、話を聞きに行ってみようか…。そんな軽い気持ちで母親と一緒にファン助産院に訪れた。

ファン助産院院長の杉山さんと1時間ほどゆっくりと話をした。和食を中心にした食事を摂り、小麦粉は身体を冷やすので控えること。妊娠中に気をつける注意点など、初めて知ることばかりだったが、ストンと胸に落ちた。杉山さんから「京都なら、左古さんがいるわよ。学習会もしているから行ってみたら」と教えてもらった。

帰京後、夫の継貴さんと一緒にあゆみ助産院の「ファミリークラス」に参加した。ビデオを見て、お産の流れがひと目でイメージでき、とても参考になったという。それまで、ファン助産院で産みたいとぼんやり考えていたが、それが明確になった。

臨月になるまで、京都の病院でずっと健診に通った。何かの事情で里帰り出産できない場合、「病院で産もう」とごく自然に考えていたからだ。臨月になった8月の終わりに実家に帰り、ファン助産院とその提携先の病院で健診を受けた。予定日の2週間前に杉山さんから「散歩3時間、10階建て百貨店の階段を10往復、スクワット200回をしてね」とさらりと言われた。これは、お腹の状態に応じて助言される、ファン助産院独特の安産メニューのようだ。

一方、夫の継貴さんは、仕事を自宅でできるよう準備を整え、妻がいる東京にやって来た。それまでの健診や学習会もすべて参加し、妻と一緒にお産をしたいという強い意志が感じられる。朝子さんは、継貴さんに同行してもらいながら、階段の往復や散歩をした。出産する10日前からは、すべてのメニューを毎日実行。さらに、近くの山を上りに行くように勧められた。

そして、山登りをした日の夜中に破水。朝まで様子を見て、提携先の病院で羊水の残量を確認した後、ファン助産院に向かった。「明日の朝までに…」。いつも、ほんわかしている杉山さんが、一瞬きりっとした表情になった。お灸やよもぎ蒸し、アロママッサージなど、あらゆる施術を受けたが、陣痛はこない。14時ころに、徒歩20分のところにある大宮八幡宮へ2時間くらい散歩に行くことを言われた。歩き始めて1時間後、ついに陣痛がきた。

19時から、本格的な陣痛の波が押し寄せた。クッションを挟んだりしたが、一番落ち着いたのは夫に横にきてもらい、腰を上下にさすってもらうスタイルだった。いよいよ、産まれるという時、杉山さんが「はい、力を抜いて、ふぁー、ふぁー」と柔らかい声をかける。すると、不思議と力が抜けた。最後は横向けに寝て出産。直後に体位を変えて、朝子さんの希望通り、晴爽ちゃんを自ら受け止め、へその緒を切った。陣痛が起きてわずか7時間半後の22時31分に出産。経産婦並の早さといえる。

「自分の身体を信じること。ピュアな気持ちで任せれば大丈夫」という杉山さんの言葉が支えになった。妊娠したことで素敵な助産婦さんたちと出会え、今まで経験したこともない体験ができた。「妊娠も含めてお産って楽しい」。それが朝子さんの率直な思いだ。

あゆみ助産院

〒612-0082
京都市伏見区深草山村町999-2
(最寄り駅:京阪墨染駅)
TEL:075−643−2163
FAX:075−641−5754

アクセスマップ