体験談

■付いてあげられなくてごめんね

佐織さん・浩司さん (10月28日第1子誕生)

★歯がゆい思いで……
私が初めてあゆみ助産院を知ったのは十数年前です。病院勤務をしていた看護師から相談を受けた時に、彼女が転職の希望先として言っていたのがあゆみ助産院でした。もの忘れの激しい私がたった一回聞いた言葉を覚えていたのは奇跡的なことです。 妻の妊娠したのを知った時、すぐに助産院の名前を思い出しすすめました。妻に出産にはもちろん、立ち合って精神的サポートをしたいと心から願っていました。
しかし、それは叶うことができませんでした。

10月27日。妻の予定日は11月3日ですが、お産は少し早まるだろうとわかっていました。ところが、重要な出張があり、この日は鳥取県にいました。妻と電話で話をして11時頃、眠りました。 28日午前5時前。陣痛が起こったことをメールで知りました。すでに1時には陣痛が始まり、3時頃に私の両親に車で運ばれたようです。すぐに電話をしましたが、妻は陣痛に耐えていました。

めったにない出張で、遠方にいる自分が歯がゆく、何度も妻に「ごめんね」と泣きました。思い切って課長に電話をかけ事情を話しました。すると「今から向かうので京都に帰ってあげて」という言葉に感激しました。 7時9分、ようやく特急電車に乗ることができました。その4分後、妻から「子宮口が全開してるって。午前中には産まれるみたい」と電話があり、左古さんからは「奥さん頑張ってるからね。大丈夫ですよ」と励ましてくれました。あえて、帰途についていることは言いませんでした。お産に影響すると良くないと思ったからです。

車中での思いは複雑でした。妻にはできるだけ楽に元気な赤ちゃんを産んでほしい。それに順調に早く進む出産が望ましいわけです。一方では、間に合って我が子の誕生の瞬間を目にしたい、という気持ちがありました。この2つの思いは矛盾し、後者はエゴというものです。 それに気付くと、間に合っても合わなくても、どちらでも良いことだ、と思えるようになり、焦る気持ちも楽になりました。

★へその緒を切りました

10時45分、助産院に到着。 玄関に入るとすぐに赤ん坊の泣き声が!!階段を駆け上がると、妻がお腹に赤ん坊を乗せていました。10時42分に生まれたばかりとのこと。私が帰ることを知らない妻をはじめ、助産婦さんは大変驚いた様子。妻は泣き出し、私も泣きました。 まだ、つながったままのへその緒を切らせていただきました。

子宮口全開までは順調だったようですが、その後、恥骨がなかなか開きません。赤ん坊が産道でうまく回旋できず、かなり時間がかかったとか。左古さんがお腹を押して助け出すという、助産院ではかなりの難産だったそうです。そのシーンは私がその場にいたら耐えられるかどうかの壮絶な光景だったと聞きました。 「遅くなって本当にごめんね。僕たちを選んで生まれてくれてありがとう。」 何度も謝って何度もお礼を言いました。

あゆみ助産院

〒612-0082
京都市伏見区深草山村町999-2
(最寄り駅:京阪墨染駅)
TEL:075−643−2163
FAX:075−641−5754

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