体験談

■「グルリン、バリッ!!」と生まれてきた憩ちゃん

恵さん・拓平さん(1月11日第2子誕生)

夜中の2時頃、恵さんは陣痛の痛みで目覚めた。おしるしがあったのは、10日以上前だった。ようやくお腹の赤ちゃん「ほっぺちゃん」が動き出した。

午前4時にあゆみ助産院に到着。良い感じの陣痛がきているので、午前中に産まれるかな、と左古さんは予想する。和室では夫の拓平さんと、「ほっぺの赤ちゃん」と命名した3歳の絆君とで川の字になってまどろむ。
7時頃に目覚め、徐々に強まる陣痛の痛みをヨーガの呼吸法で逃しながら、手で腰をさする。その手が拓平さんとなり、気が付くと左古さんの手に変わっていた。横で絆君は、大好きなお父さんと楽しそうに遊ぶ。その姿を見守りながら恵さんは、膝をついてクッションを抱きかかえ、静かにその時を待っていた。

お産は順調に進んでいたが、この場に及んでも「ほっぺちゃん」は頭を頻繁に動かす。産まれる寸前まで動く赤ちゃんもいるので「ほっぺちゃん」もそのタイプの赤ちゃんなのかもしれない。「母体の準備はできているけど、ゆっくり降りてきたいのかもしれないね」と左古さん。
10時30分、満潮から引き潮となる。「ほっぺちゃん」の頭と骨盤がうまくかみ合うよう、横向きに寝て一旦休んでもらうことになった。

数時間後、陣痛との合間に仮眠を取り元気を取り戻した恵さん。テルミーの手当が項を奏したようで、お産は一気に進んだ。恥骨を広げるために左古さんがかかとあたりを指圧。恵さんはクッションに寄りかかり四つん這いのスタイルとなり「うー、うー」と声を出し痛みに耐える。左古さんが「力を抜いてね。息をして酸素を送ってあげてね」と優しく誘導する。
恵さんは、痛いながらも気持ちは意気揚々としていた。「さあ、いつでも出ておいで」と心のなかで呼びかける。破水と同時に頭が見えてきた。「赤ちゃんを感じてね。一緒に受け止めようね」。その声に促され恵さんは四つん這いの姿勢から上体を起こし、受けとめる体勢に移動させる。

午後2時26分。「ほっぺちゃん」は卵膜をバリバリと破り、足首にへその緒を巻きつけ勢いよく登場。それを恵さんはしっかりと受け止めた。「まるで、グルリン、バリッて感じで出てきたみたい。とても気持ち良かった。叫びながら感じたのは、人間も動物の仲間なんだと実感したことです。後で声が枯れて喉が痛かったですが(笑)」。

「お母さん、よく頑張ったね」と絆君が嬉しそうに傍に寄り添った。拓平さんは、さすが二度目とあって慣れた手つきで、へその緒を切り自分の役目を果たした。「ほっぺちゃん」は女の子で「憩ちゃん」と名付けられた。

最初のお産は、赤ちゃんの動きもわからず、出てくる感じがつかめなかった。今度は「さあ、やるぞ!」と張り切ってのぞんだお産。満足顔の妻に拓平さんは「とても頑張っていたのが、よくわかった」と優しく労った。

あゆみ助産院

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